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近況と活動報告
活動報告一覧

■ドイツレッスン

州立バイエルン聾学校 Gボール講習会 老人宮殿パッサウ 生活支援センターでのレッスン
トラウンシュタイン・幼稚園でGボール講習

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■■■ 中尾和子*2007年11月の活動報告*ドイツレッスンspecial ■■■

ドイツレッスンスペシャル

2007/11/10〜19
中尾和子は、Gボール講習会のためドイツへ出張させて頂きました。
いつもと違う環境でのレッスンは大変興味深く、
違う言葉を話す皆さんからの熱意は、私の胸へストレートに伝わってきました。

州立バイエルン聾学校 Gボール講習会 (2007/11/13 火)

公立のこの聾学校は小学生から高校生までが通っているとても大きくてきれいな学校でした。
約束のぎりぎりの時間に着いたので、教師のエリザベス・ミュグレさんが入り口まで迎えに来てくださり、そこでのあいさつにまた時間がかかって、いつものごとく、学校全体の写真を撮るのを忘れました。非常に残念です。なぜかというと、各建物がとてもカラフルな色なので、それだけで、心が弾む気がしたからです。
音に閉ざされた人たちへの温かい配慮が伺われます。

ドイツに来て初めての指導!ここではスペシャルオリンピックのハンドボールチームメンバーと教師の方々にボールエクササイズを紹介しました。
みなさんボールは初めてなのでとても楽しみだったそうです。

まず、はじめに、ギムニクの住本さんが楽しいボール遊びを紹介!これはとてもよいウォーミングアップになりました。

【左】二人ではずみます!「キャッ!」「ワァー!」「ウゥゥー!」


手話を通して伝えることは、初めてだったので、とくに実技では、どこからでも目で確認できるように位置することを心がけました。しかし、うつぶせのポジションのときはどうしようかと悩みましたが、手話をされる方がうまく工夫して伝えてくださいました。


【左上】明るく広い体育館だけど、レオタードの私には寒かった
【右上】レベルの高いエクササイズもできてしまう人たちでした


【左上】集中力もコントロール能力も抜群!
【右上】力を抜くことは難しいみたい?

【左】腹筋エクササイズではお腹が笑っているといって、みんな大爆笑!

さすがに体力レベル・コーディネーションレベルが高く、ドイツに来ていきなりアドバンスクラスをやったという感じでした。

力まかせに動くのではなく、繊細に無駄な力を抜くこと、感覚を研ぎ澄ますこと、徹底したニュートラルポジションへの意識などを伝えると、目を輝かして、ますます集中されます。自分の身体を熟知している人やトレーニングを重ねている人たちは、気づくのが早いので、アドバイスも気持ちいいほど伝わります。私のほうが楽しくて仕方なかったです。

ボールは日本ほど普及していないらしく、医療器具に近い存在だと聞きました。
ボールエクササイズは、転がるからこそ神経筋の発達が狙えるので、
トレーニングとして非常に有効であることをしっかり強調できました。
実際に体験して、皆さん納得してくださったようです。

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老人宮殿 パッサウ〜「高齢者のモンテッソーリ」の著者ビアンカ・マタンさんを訪ねて (2007/11/14 水)

この日の午後からドイツ鉄道のストが始まると分かり、
急遽、早朝の出発 、パッサウに向かいました。


【左上】ミュンヘンの駅は広々しています
【右上】駅の構内を救急車が走ってきたのには驚きました!

【左】車窓からの景色は白一色

パッサウ駅に迎えに来てくれたビアンカさん、なんて朗らかな人でしょう!発するオーラには人を喜ばせる不思議なエネルギーがほとばしっています。一瞬会っただけで、私ももっと明るく振舞わなければと思いました。

到着した老人の家は驚くほど明るく美しい建物でした。
いくつもの家があり、入居者の状態や能力、本人の希望も含め、
生活の仕様がそれぞれ違います。


【左上】いくつかの建物がレストランを囲むように建っています
【右上】中庭が広く、ゆったりした気持ちになります

「僕はまだ93歳なんだけどね」 出会うなり話しかけてこられたこの男性は、入居当時、寝たきりだったそうです。「ビアンカさんのおかげなんだ」と盛んにその説明をしてくださいました。ビアンカさんに負けないくらい明るく力のある声で、しっかり話されるので、 ここがどんなに良い家なのかが想像できました。

【左下】左から立野さん、ビアンカさん、93歳の入居の方(名前が難しくて覚えていない)


【右上】 厳かな雰囲気の中、ステンドグラスが透き通るような空気感をかもしだしていました

「お昼を一緒に食べましょう!」ビアンカさんがレストランに案内してくれました。
清潔な明るいこのレストランには絵画や心和む置物が飾られています。
「始めて訪問する日本人のためにシェフが腕を振るったのよ!」
そして出された料理の肉の大きさに・・・・・・・・


【左上】40分後にレッスンするのに「酷やんか!」と言いつつ、平らげた!
【右上】レストランにはメニューがあり、その日の自分の食べたいものが注文できます

外国で一般人それもシニアに指導するのは初めてです。
どんな人たちが参加してくれるのか、私はわくわくしていました。
集まった人たちは非常にユニークで明るいと感じました。
そして、いつものごとく意識した呼吸運動と動きの質を高めるエクササイズをしました。


【左上】一心に注目してくださいます。
【右上】言葉以上に見せることを心がけました


【左上】遊びのような動きの中でもそのエクササイズの目的をしっかり伝えました
【右上】ボールをつかんでいるどの指が強いですか?


【左上】肩を下ろしてもらおうと必死の私
【右上】力の抜き方とリラクゼーション説明、仙骨の下にボールがあります

「あんなに集中しているみんなを見て驚いた」と、 ビヤンカさんにも喜んでもらいました。
また、非常に積極的な指導と言われました。
あまりにも楽しそうに動いている方にスタッフが「私が教えているトレーニングにもそれくらいがんばったら?」「あれは面白くない!このボールは楽しいのでやりたい!」とスタッフに言い返していました。ボールの威力はやっぱりすごい!それに、なんせ、日本人の来訪が初めてなので、珍しかったのでしょう!

170人の入居者と50人の通ってくる老人合わせて220人に対して160人のスタッフがいます。一切、国からの援助に頼らず、経営を成功させている秘訣をオーナーのビート・ケインベガーさんに聞くことができました。この短時間のインタビューは濃密でした。その中でも強く心に残ったことは「子どものように発達や成長を見るのではないから、どうしても暗くなりがちだけど、楽しいと思えるように働くこと、そう思えるような新しい試みもどんどん実行しています」また、一番大切なことは何だと思いますかという私の質問に、すぐ「教育です!」という言葉が返ってきました。心から同感し、ケインベガーさんを目前に飛び上がるほどうれしく思いました。

【下】真ん中がオーナーのケインベガーさん
日本の超高齢化社会事情は世界をリードしています。また、今までに経験したことのない社会状況を世界は注目しています。

ドイツのどこに行っても日本の老人ケアの状態を聞かれます。日本から学びたいという意欲が感じられ、日本の抱えている問題を改めて痛感しました。私は日本人として無償に「がんばるぞー!」と心奮い立ちました。
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ザルツブルグ・生活支援センターでのレッスン (2007/11/15 木)

ザルツブルグも雪でした。
この雪の中、タインシュタインからアンダリック先生の次女アンゲリカ・シュナイダーさんが迎えに来てくれました。彼女は理学療法士でもあり乗馬療法士でもあります。ここではアンゲリカさんが生活支援センターや幼稚園で教える手はずを整えてくださいました。

駐車場まで歩いたのですが、
とても遠く感じました。

駐車場で、パンやジュースの入った袋を
一人ずつに渡しながら
「車の中でお昼を済まして!
着いたらすぐレッスンだから」
・・・・・「えー!またー!
今日はレッスン無いって聞いていたのに・・・」

生活支援センター

この生活支援センターには
重度の障害を持った方が
たくさん参加しています。
その方たちを指導し、
お世話しているスタッフに
ソフトギムニクでのエクササイズを紹介しました。

【左上】アンゲリカさんのあいさつで始まりました
【右上】お尻の下に置いたボールの転がりで気持ちよくストレッチ


【左上】どこが曲がってんのか、わからへん?
【右上】ニュートラルポジションを保つのは難しい!


【左上】JSAエクササイズで股関節や腰をほぐしていきます
【右上】身体のつながりを感じながら、力を抜く

イスでどのようにボールを利用するのかを紹介

レッスン前のほんの数分間に重度の知的障害の患者さんがいる教室を拝見したのですが、
そこでスタッフの方たちの献身的な働きぶりを見た気がしました。
だから、ボールの研修では、患者さんに対してではなく、
まず、スタッフ自身が自分の身体をケアすることの重要性を訴え、それを体感してもらいました。
関節をゆるめながらのJSAリラクゼーションは好評で、
そのほか体位を保てない患者さんに、
どのようにボールをクッション・サポートとして利用するのかを紹介しました。
若い方が多かったのですが、熱心に学んでくださる態度に私のほうが非常に感激しました!

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トラウンシュタイン・幼稚園でGボール講習 (2007/11/16 金)

遊びまくって、夕方から、 サラちゃんが通っている幼稚園で講習しました。
幼稚園の先生たちは仕事柄なのでしょうか? 子どものような楽しい雰囲気があります。
まず、子どもたちにできるボールの遊び方を住本さんが紹介しました。


【左上】得意げなサラちゃん
【右上】さすが幼稚園の先生たち!乗りは抜群!息もぴったり!

左の写真、真ん中の方はどうしても参加したいといって来られた全盲の方。 ボールに座ることすら大変ですね。
ところが理学療法士でもあるアンゲリカさんがばっちりサポート! 見事にボールに乗ることができました。(左下の写真ご参照下さい)

【左上】ボールの不安定さが遊びをおもしろくします
【右上】散々遊んだあと、私の出番です


【左上】ールでの転がり方など基本運動
【右上】姿勢に重要な骨盤の位置説明


【左上】骨盤後傾と前傾が難しいようでした
【右上】転がって自分の身体を支える
【下】背中のラインを意識
遊びにもトレーニングにも 目一杯楽しまれる人達でした。 さっそくボールをどのように取り入れるかを話し合われます。
一緒に参加していた園長先生の決断の早いこと!
次の練習する時間まで決めてられました。

彼らの半端でない好奇心と行動力に、迫力とスピーディーさを感じ、
ものすごく嬉しくなりました。日本だといっぱい企画書やらを作成して、
その案が通までにかなりの時間がかかって、実際始まる頃には、
なんでこれをしたかったのか、忘れてんのと違う?と聞きたくなることが多々あります。
こんな風にボールが日本でも広がればいいなぁーとつくづく思いました。
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